シアワセのありか キミを目印にして

さて、いつまで続くかな

MORSE -モールス- 初日11/13 後編

続きです。

引き続きネタバレしていますのでご注意を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2幕はホーカンが入院する病院をエリが訪ねるシーンから。原作や映画ではエリがホーカンの病室を聞くのは受付の女性ですが、舞台では偶然入口近くにいた男性外科医(手術着姿)に聞いていました。
ハルムベリがホーカンの病室で話をしている時、エリは壁を登っています。今回の舞台でエリが1番体力いるのではないかと思います。動きが多い。
ハルムベリが病室から出たあと、エリが入ります。原作、映画ではエリ入らないので、ここも違いますね。そして、エリにオスカーの血を飲ませようとした(一度狙っていた)ことを怒ります。そりゃそうだ。ホーカンは、ハルムベリに話しかけられていたときは「あぁぁ…」というような声しか出していませんが、エリとは会話します。しかも結構喋ります。序盤で喉につけている管が外れてしまったんですが途中で気づいたエリが付け直していました。
ホーカンが落ちるところどうするんだろうと思ってたら、エリがベッドにのってホーカンの血を吸ったあと、首を折った…。
映画では、エリが殺したというよりは不可抗力でホーカンが落ちてしまった、って感じですが、舞台ではエリが自らの力で殺してしまうので私の中では印象がだいぶ違いました。今まで血を採ってきてくれて、おそらく長年共にしていたホーカンを殺めるのはどういう心境なんだろう、と。ちなみに原作ではホーカンは病室の窓から落ちても死にません。
 
2幕のオスカーの登場はお遊戯会みたいな王冠を頭につけてブランケット?をマントみたいに羽織ってナイトを演じています。唐突すぎてびっくりするけどお茶目なオスカー可愛い。どうしたどうした?って思ったけど、確かにこういうシーン原作にもあります。オスカーこんな可愛くはなかったと思うけど(笑)
オスカーが「約束したい?」みたいなこと言って、ナイフで手を切ると血が。ここ原作読んだ時からブラブラ思い出してました。笑 血のり1番に使うのはオスカーでしたね。結構な量出てました。
ここでエリはオスカーに「去れ、早く去らないと死ぬぞ」(ニュアンス)と言います。ここはモールス寄りでしたね。ぼくのエリでは「逃げて」とエリの口調が優しめだったはず。(翻訳した人によるのかもしれませんが)余談ですが私はエリがオスカーにだけは牙を剥かないところが好きなので、ぼくのエリの「逃げて」っていう台詞のほうが好きだなーと思いました。
そして、オスカーの手の血を舐めてから床に落ちた血を舐めます。エリがオスカーに向かって行った時は襲われる!?と思ってしまいました。原作、映画ともにエリは床の血しか舐めなかったはずなので。
そして、エリではなくオスカーが立ち去るのも映画とは違うところですね。
 
スケートのシーンで、ああ怪我させちゃうところだ…と思ってたらヨンニが屁っ放り腰で出てきたから笑ったwwwオスカーにちょっかい出してるんですがどちらかといえばオスカーに掴まって立ってますよね…?ってところもあったし、あのシーンに本来笑いは必要ないしヨンニの弱点も見せる必要もないので、あれは演出や設定ではなくてヨンニ役の富岡さんがどうしてもローラースケートを使いこなせなかったのではないかと私は思っています。(本当はできるけどそういう設定、なのであれば大変失礼な話ですが)
 
ヨンニに怪我させちゃって、お父さんの家に行くオスカーですが、自分が住んでいた頃と変わらない家に「ここに住んでいたい」と言ったり、お父さんと楽しそうにゲームしたりしている様子を見るとお父さん子なのかなと思います。原作や映画では、お父さんが同性愛者だということは匂わせ程度にしか出てきませんが、舞台ではわりとはっきり表現されています。ちなみに原作ではお母さんはアルコール中毒ではなかったような…お酒飲むと暴力を振るうようになった、と書かれているのはお父さんのほうです。
そんなお父さんにも「お前は扱いにくくなった」と言われ、オスカーは「朝になったら帰る!」と言い残して1人で家に帰ります。*1ここのオスカー、すごく子供っぽい。駄々っ子って感じ。
 
家に帰ったら帰ったでお母さんと「(両親の)どっちと住むか」でもめた挙句、「クソ女」と言い放つオスカー。演技とはいえつい望の口からそんな言葉が…!と思ってしまいます。
 
最後のシーンの前、ミッケとオスカーが話すシーンはその後を知っている状態で見るとすごく悲しいです。ミッケは元々オスカーの友達で、本当はオスカーをいじめたくないんですよね。このシーンでミッケは昔のことを楽しそうに話し、その姿を見てオスカーも安心したように笑うんです。でもこのあとミッケは裏切るよオスカー…と思うと本当に悲しい。
ここでオスカーはお守りのように持っていたナイフをなぜかミッケに渡すんです。なんでわたしちゃうんだろう…もうミッケは大丈夫だと完全に信用したのかな…こういうところはやっぱり子供ですよね…案の定その後のプールのシーンでインミにナイフを取られますよね…
 
ロッカーでアヴィラ先生と話して、プールに向かうオスカー。その後インミがアヴィラ先生をボッコボコに。映画では火事を起こしてそっちに向かわせるのに。インミがさらに凶暴になっています。
水槽のセットが出てきていよいよだ…と息が止まりそうになりながら、よーく水槽を見ると水が入ってなくて、あ、やっぱり潜るのは難しかったか、と少し安心したんです、私。目の前で水に潜って演技なんて見てられない!と思っていたので。しかし、オスカーがプールサイドに腰掛けるとすごい勢いで水が入ってきて、その蛇口の開栓とともに私の涙腺が崩壊← 1回安心してしまった分、そして目の前で水が溜まっていくのを見ているので余計に怖かったです。水面近くが白く曇っていたので、お湯だとわかったときは少しホッとしましたが。
ここで
インミ「3分以上潜れたらナイフで殺す」
オスカー「3分持たなかったら?」
インミ「(ナイフで)目をえぐり出す」
という会話があるんですが、これオスカー助かる方法がないですよね。「3分以上潜れたら許してやる」じゃないんですか!?確か映画はそうだったはず…
いよいよオスカーがプールに入ります。水は184cmの望が立って首くらいまでの高さ。インミに押さえられて潜りますが、何かを考えると脳が酸素を使うというからか、オスカーの表情は「無」。何も考えないようにしてるなぁと思いました。途中鼻を左手で押さえたり、右手の力が抜けて?上がってきたりしていたので苦しいよね、ああエリ早く…!と緊迫感が増したのですが、後にそれは「オスカーなら苦しいときこうするだろう」という考えからの演技だと判明して騙されたー!と思いました。潜ってる最中何も考えてないと思っててごめん…
やっとエリが助けにきてくれてヨンニたちのバラバラになった手足が落ちてくるのにはびっくり。こうしたか、と。ただオスカー見るのに必死すぎてヨンニ、ミッケがいつやられたのか全く見てなかったです← 最後にインミが襲われ、頭がプールに落ちてくるんですがその時に頭の髪の毛が外れてしまってこれはこういう仕様なのかハプニングなのかと冷静に考えてしまいました。←*2
 
オスカー「血が出てる」
エリ「誰も入っていいって言ってくれなかったから」
オスカー「入ってもいいよ」
ヴァンパイアは初めての場所には許可を得ないと入れないそうです。それでもオスカーを助けるために許可をもらうことなく入ってきたエリ。約束は嫌いって言ってたのに、いじめっ子にはやり返さないとって話してるシーンで「(それでもやり返されたら)私が助けに行く、約束する」って言うんです。エリにとって、オスカーがそこまでの存在になってたんだなぁと。
 
プールから上がって、上手にある箱(エリが引っ越してきた時に入っていたもの)からエリがタオルを取り出してオスカーの髪をわしゃわしゃ。そして服を順に着せます。お互いに穏やかな表情で、安心している様子が伝わってきます。
エリが箱の中に入り、オスカーが蓋を閉めてその箱を下手側にある電車内のセット*3前まで押していき、オスカーはシートに着席。車掌さんに切符を見せて少し会話。「(箱に)何が入ってるの?」と聞かれて、「細々としたもの全部」と答えるオスカー。言葉選びがちょっと大人っぽいなと思いました。
蓋を叩いて、モールス信号で「エリ」と呼ぶと、箱の中のエリから同じくモールス信号で「オスカー」と返ってきます。それを確認すると、愛おしそうに箱を撫でてから、ゆっくり顔をあげ、まっすぐに前(客席側)を見据えるオスカーは、覚悟を決めたような、いじめられっ子だなんて感じさせない表情をしていました。もう子供っぽさもありません。
 
そのまま暗転して、次に明転するとキャストの皆さんが横並びで一列に。揃って礼をして、顔をあげると望がホッとしたような照れ笑いしていました。これが「オスカー」から「小瀧望」に戻った瞬間だと感じました。その時の表情を見たら、緊張してたんだなぁと思いました(笑)
 
カーテンコール1
望1人が上手から小走りで出てきて、上手下手に向かって「おいで!」と手を振って皆さんを呼んでいました。
「本日は本当にありがとうございました!」
と挨拶をして、音楽(La Mer)に合わせて少し踊りながら上手へ向かい、振り返って手を振ってハケる。
 
カーテンコール2
全員で出てきて、礼(確か三方礼だったと思います)。望がセンターで礼をするって、この舞台が発表された時に思い描いていた景色を見ることができたのでまた涙(プールのシーンから泣きっぱなしですが←)。ばいばーいヾ('・ェ・`)ノシと手を振って上手へハケていきました。
 
ここで「本日の公演は全て終了いたしました」のアナウンスが入りましたが拍手が鳴り止まず、カーテンコール3回目。
キャストの皆さんが登場したと同時に客席がスタンディングオベーションだったので、望がびっくりして「うわ、すげぇっ!」って口が動いてました。全員で礼をして、またばいばーいヾ('・ェ・`)ノシと手を振ってハケていきました。最後に振り返ってなにかしたみたいで歓声起こってましたが私の席からは見えませんでした。
 
21:28、初日公演終了。
 
舞台を見て、やっとラストシーンの意味を理解したんですが←
オスカーとエリが一緒になることで、お互いに孤独ではなくなり、オスカーももういじめられることはなくなりますが、これからはオスカーがホーカンの役割をするんだよなぁと考えるとハッピーエンドとは言い難いかなと思います。オスカーはまだ子供なので、ホーカンのように1人で人を襲って血を持って帰ってくるのは難しいと思うので、ハルムベリを襲った時のように2人で協力するんでしょうか。ただオスカーは人間なので歳をとります。そうするとホーカンのように体力がなくなってきて……って考えてしまいそうですが、せめて2人の未来は明るいものだと考えたいです。オスカーとエリ、幸せになってほしい。
 
私の席は上手寄りだったんですが、オスカーの立ち位置も上手が多く、表情をよく見ることができました。
舞台を観に行くのはブラブラ以来で、ブラブラでめっちゃ泣いて、カテコでも泣きながら拍手してたら顔がピエロみたいに(ファンデーションが涙が流れたところだけ落ちた)なったので気をつけないと!と思っていたんですが、おそらくそれ以上に泣いたと思います← 涙おさえてたら拍手できないし拍手したら涙流れるしでカテコは忙しかったです…
初主演としては重い、難しい舞台だったと思いますが、このような素敵な舞台に出逢えてよかったと心から思います。ホラーが苦手は私は、望が出なかったらこの先も出逢わなかった作品だと思うので。
しかしこんなに長くなると思いませんでした。← 気づけば大阪公演の幕が開けていました。大千秋楽まで無事に終わりますように。またMORSEの世界に行けることを楽しみにしています。
 
 

*1:舞台ではいつの間にか帰っていますが原作ではヒッチハイクで帰ります

*2:いつからかくっついてたようなのでやはりハプニングかな?

*3:プールのセットを隠すように配置